蜜壺 ~兄さん……わたしこんなに大きくなりましたよ~ うだるような暑さ。耳をつんざく蝉時雨。草いきれが鼻をつく真夏の季節。都会の喧噪から遠く離れた田舎に、数年ぶりの帰省を果たした主人公・日下部徹。そこで徹を待ち受けていたのは、見目麗しい大人の女へと成長した妹・満花の姿だった。あどけない少女から艶やかな女へと変貌した妹を目の当たりにして、激しく動揺する徹。胸に再燃する想い。その昔、実の妹に欲情し、逃げるように家を後にした時の記憶。婚約報告を機に振り切ろうとしていた覚悟は、だがしかし、満花の甘い誘惑によって徐々に溶けていく。兄を慕う実の妹の、容赦のない純粋な愛欲によって。蜜壺のように甘く、抗しがたい……満花の魅惑的なカラダによって。うだるような暑さの中───やがて兄妹は、二匹の獣となって互いのカラダを貪り合う。 |
匣の中の痴情 女子校育ちの藤森美空。社会人になり、沿線は変われど学生時代から変わらず毎日電車に揺られて出勤するだけの日々を送っていた。異性に興味が無いわけではないが、そんな機会も訪れず。最近妙にほてる身体を持て余して居た。火照る身体を癒す術も知らず、男性との接点もない日常を過ごしてきた美空。平穏な日々を暮らし、淡々とした日常を全うしていた彼女が、ある日見つけたBlogエントリ。『マニアックプレイ専用SNS』そのカテゴリの一つに目を留める。同じ趣味を持った男女が。つかの間の逢瀬を楽しむコミュニティ…。その中の『痴漢プレイ』を見た美空は、女性からの体験談を読んで心を震わせた。「こんな世界もあるんだ…」日常の裏でふつふつと感じていた心の疼きに、思わず書き込みを残す。そして、翌日大量のメッセージが届く。美空は胸を高鳴らせ一通ずつ開封する―「…期待、しすぎたのかしら」欲望剥き出しの男たちからのメッセージに落胆の溜息をこぼす。それでも、何通か届いた紳士的なメッセージに期待を込めて返事を書いた…。『こんにちはMIKUです、お返事ありがとうございます』インターネットが引き合わせる出会いは『偶然』か『運命』か?―完全女性視点で展開する、もう一つの痴漢ゲーム。今夜はあなたの車両に…。 |
失楽園2 |